車体から無駄なものを省き、とことん軽量化をするのはサーキットでタイムを狙うシーンでは大事なセッティングの1つです。
公道の場合、クローズドコースのような速さは要求されず、いかに余裕を持って走れるかを重視した方が得られるアドバンテージは大きいです。
サーキットやジムカーナはもちろん、たとえ公道しか走らなくても自分が意図したように車体を動かせれば、走りの自由度が増します。定番カスタムを交えて、どれくらい軽量化されるのかCB400SB(NC42)で計算してみました。
「諸元表 」からCB400SBの車両重量は198kg、乾燥重量は概算値で176kgとなってました。では、カスタムでどれくらい軽量化されるのか部位ごとにみてみます。
カスタムパーツの交換による軽量化
マフラー交換
見た目に加え、音も大幅に変わってカスタムをした効果がすぐに体感できるので、バイク乗りの王道カスタムと言えます。私が乗るCBにはヨシムラのフルエキゾーストマフラー「機械曲げチタンサイクロン」を装着しています。
- 純正マフラー:9.1kg
- 機械曲げチタンサイクロン:5.5kg
社外フルエキに交換することで3.9kg軽量化されます。CBみたいに片側のみサイレンサーがある場合、より軽いマフラーへの交換は全体の重心をニュートラルに戻してくれるため乗りやすくなります。
ホイール
CB400SF/SBのタイヤサイズはフロントが120/60-17(55W)、リアが160/60-17(69W)です。肝心なホイールの重さを調べると、どこを探しても見つからない。。。メーカーへ問い合わせても重さのデータは不明でした。
そこでCBタイヤサイズの近い、Ninja400R(Kawasaki)のデータを参考値として算出しておきます。
- 純正ホイール:13.1kg
- GALESPEED(ゲイルスピード)Type R:10.1kg
- ※Ninja400Rの場合で算出した参考値
「ゲイルスピード 」は軽量ホイールを手掛けるメーカーで、車種によってはホイールのバリエーションが複数あります。ホイールの種類によって素材が異なるため重さも変化します。
計算したのは「TypeR」というアルミニウム鍛造のホイールです。CBの純正ホイールの詳細不明ですが、純正パーツをアルミニウム鋳造と仮定すれば、必要強度のみ残し軽量に特化したアフターパーツということで3.0kgの軽量化が期待されます。
バッテリー
意表を突くようなですが、意外と簡単に軽量化をできるパーツがリチウムバッテリーです。
- 純正(鉛)バッテリー:3.1kg
- リチウムバッテリー:0.7kg
純正で使用している鉛バッテリーからリチウムへ交換することで2.4kg軽量化することができました。週末など毎日使わないようなライダーがリチウムバッテリーを選ぶべき理由はこちらへどうぞ↓
実際に取り付け、まだまだ調子よく使用できています。
定番カスタムだけで9.3kgの軽量化
実際取り付けるパーツにより数値は多少変化すると思いますが、マフラー、ホイールに加えバッテリーも変更することで9.3kg軽量化できます。車両重量は198kgなので数字だけで見ると小さく見えても、普段10kgの重りを載せて走ったら遅くなるってのはイメージできます。軽量で効果が出やすいのはバネ下重量(サスペンションより下)です。
ここまでは数値のみでみてきましたが、車体を軽くすることの恩恵と注意点に触れておきます。
軽量化の利点
走行中の切り返しが軽快になる。
個人的に1番大きいと思えるメリットです。単純に車体が、軽ければカーブへの進入に重心を移動するために意気込む必要なくすっと曲がります。もちろんエンジンの出力性能を変えなくても軽くなれば、加速・減速といった動力性能は向上します。
車体の移動(取り回し)が楽になる。
駐輪場や車体からおりて操作をする場合、非常に大きなメリットです。これくらいの排気量なら割と気にならないという人もいるけど悩める人にとっては大きな問題かと思います。
足つきの安定感が増す。
足がベタっとつくCBは特に気になりませんが、外車などシートが高めでやや足つきが悪い場合は軽量化が役に立ちます。車体を支える力も少なくできます。
軽量化の欠点
サスペンションをセッティングする必要がある。
軽量化する部分によって影響は変わりますが、純正は十分にバランスを考えて作りこまれています。軽量化をしてバランスを崩したままだと乗り心地が大きく悪化します。
路面のギャップを吸収する役割をタイヤとサスペンションで行なっています。重いものと軽いものでどちらがいいか、「分かりやすい例 」としては重さの違うハンマーで叩いたとき、どっちの方が手に不快な振動が伝わるか比べると重い方がしびれは少ないです。大幅な軽量化で、適切な減衰をさせるにはオーリンズなど多段階で調整できるサスペンションが必要になります。
直進時の安定性が低下する。
軽くなると物理的にも慣性力、ホイールならジャイロ効果が失われ、横風などの影響を受けやすくなります。走行の軽快さと不安定さはトレードオフになってしまいます。
まとめ
愛車CBを使って定番カスタムでどれくらい軽量化されるか計算してみました。車体全体からみると9.3kgと数字は思ってたより小さめでしたが、すでにホイール以外は実践しており、6.3kgの軽量化でも十分に恩恵を感じています。
サスペンション交換となると少しハードルが上がってはしまうけど、交換パーツを選ぶときは適度な軽量化も意識することで乗り心地と軽快さのバランスをとっていきたいものです。
コメント
マフラーをチタンフルエキに変え、いたるところにカーボンを使い等々やってたら友人にお前の100キロの体重を65キロにしたほうが安上がりやんけって言われました(T_T)
>お和樹さん
コメントありがとうございます。軽量化に重点をおくのであれば友人の話は妥当なのかもしれません。
しかし、カスタムは軽量化だけが全てではないと思います。ドレスアップも含めてデザインをカスタムできるのでとても難しい意見です。。。
趣味としてカーボンを選ぶことは、レーシーな外観になりバイク自体の雰囲気を変えれるので個人的に好みです。
カスタムやメンテに費用をかけれるのは素晴らしいと思います。
純正のホイールの製法はアルミニウム鋳造(おそらくグラビティ鋳造)です。
ダイキャストではないです。
ダイキャスト製(おそらく材質はADC12)だと衝撃が加わった時に割れてしまいます。
>ゆうじさん
コメントありがとうございます。
純正の詳細が不明であったので他車種などを参考にして執筆しましたが、ご指摘いただき感謝申し上げます。
いただいた情報を記事内容を変更しました。
今後もぜひコメントお待ちしております。